便秘薬はつらい時の救世主とも言える存在ですよね。しかし、便秘薬に頼りすぎていると、腸が真っ黒に変色する「大腸メラノーシス」になってしまうことがあるんです。
大腸メラノーシスって何?
大腸メラノーシスとは大腸の粘膜が黒く沈着してしまう状態のこと。
ただし、腸の中が真っ黒になるだけで、便秘以外にこれといった自覚症状はありません。そのため、内視鏡で確認しない限り気づくことはできないんですね。
原因は?
大腸メラノーシスの原因。それは刺激性便秘薬の服用。刺激性便秘薬とは、アントラキノン系の成分が含まれた下剤のことです。アロエや大黄、センナなどがこれに分類されます。
これらの成分が蓄積されると粘膜がダメージを受け、色素沈着が生じるのです。
大腸メラノーシスになるとどうなるの?
大腸メラノーシスになると、腸の機能が低下します。便通を改善するために飲む薬が原因で、かえって便秘を悪化させるんですね。
それだけではありません。粘膜に色素沈着が起こることで細胞が硬化し、大腸がんのリスクを高めてしまう場合も。
大腸メラノーシスと大腸がんとの関連性は医学会でも意見が分かれていますが、可能性がゼロではない限り気を付けるに越したことはありません。
大腸メラノーシスを改善するには
大腸メラノーシスの改善法。実はそれほど難しいものではありません。「刺激性便秘薬の服用を止める」たったこれだけで良いのです。
刺激性便秘薬の服用をやめることで、数ヶ月から数年で元の健康な状態に戻ってきます。アントラキノン系の成分は一見すると体に優しいように感じますが、長期的な服用は避けましょう。
製品やメーカーを変えても成分は同じである場合が多いので、便秘薬は成分表をしっかりと確認してから選ぶようにしましょう。 |
便秘がひどい時はどうすればいいの?
大腸メラノーシスの原因は、刺激性便秘薬の長期服用であることがわかりました。でも、最後の切り札だった便秘薬を止めるのは難しいですよね?
薬がないと排便が難しいような場合は、アントラキノン系以外の薬を服用するといいでしょう。おすすめは酸化マグネシウムなどが含まれた塩類の便秘薬。
腸に刺激を与え無理やり動かす刺激性便秘薬とは異なり、腸本来の機能を保ちながら排便を促すことができますよ。
便秘薬から卒業しよう!
便秘薬には「即効性」があります。しかし、所詮は対症療法にすぎません。そのため便秘を根本的に解決する手段にはならないんですよね。
また便秘薬には、量や回数が増える習慣化というリスクがあります。便秘薬が習慣化すると「即効性」という効果もなくなっていきます。
薬に頼らずに排便していくには、薬の使用を最低限に抑えながら、腸内環境を改善していける手段を選ぶべきです。その際に必要な成分が善玉菌の摂取になります。
善玉菌は意識してる摂るのがポイント
便秘薬を卒業するためには意識して善玉菌を摂っていくことが必要です。
腸は乳酸菌やオリゴ糖などの善玉菌が大好物。善玉菌を摂って既存の善玉菌が元気になると、腸内が酸性になって悪玉菌が減っていきます。
善玉菌には腸内を酸性に変えていく働きがあります。便秘薬を卒業していくのに、意識して善玉菌を摂ったほうがいいのはそのためです。