どうしても出ないとき、つい手が伸びてしまう下剤。しかし、誤った使い方を長期間続けていると、様々なトラブルに見舞われてしまう可能性があります。
自分の体のためにも「下剤のリスクや副作用」を知っておくことが大切です。下剤を利用する頻度の多い方は、ぜひ参考にしてくださいね。
下剤には2種類ある
1.腸を動かす下剤
このタイプの下剤では、大腸や小腸に「刺激を与えて腸を動かす」ことで、排便を促します。便秘の人は「腸のぜん動運動」が弱まっていることが多く、なかなか自然に便を出すことができません。
そこに下剤の成分が働きかけることで腸に刺激を与え、ぜん動運動を促して便が出るようにしていきます。
2.便に水分を含ませる下剤
便は適度に水分が含まれることで、スムーズに排出することができます。しかし、便秘が続き腸に便が溜まった状態だと、水分が腸壁に吸収されてしまうためカチカチの硬い便が作られてしまいます。
このタイプの下剤は、そんな硬くなった便に水分を与えてやわらかくすることで便が出やすい状態にしていきます。
下剤を続けることで起こる副作用
下剤は月に1、2回程度なら副作用の問題がありません。気を付けなければならないのは、下剤を定期的に服用し、自然な排便が困難になっているケースです。
長期的に下剤を飲み続けると体はどうなるのでしょうか。起こりうるリスクは次の4つです。
1.便秘が悪化する
下剤を長く続けていると、自然に排便する力が弱くなっていきます。そうなると下剤に頼らなければ便が出せない状態となり、ますます便秘が悪化してしまう恐れも。
2.腹痛や吐き気
下剤を服用した際、自然の便意とは異なるキリキリとした痛みに襲われることがあります。人によっては吐き気を催すことも。これは腸を動かすタイプの下剤に見られる症状。長く続けると胃腸が荒れる原因にもなります。
3.貧血や倦怠感、動悸
下剤には鉄分やビタミンを外に排出してしまう働きがあります。それが原因で貧血や倦怠感などを引き起こす可能性も。特に女性は月経の影響で鉄分不足の方が多いため、下剤の乱用は控えなくてはなりません。
4.大腸ガンのリスク
腸を動かす下剤のおよそ7割は「アントラキノン系下剤」。アントラキノン系は長期服用すると大腸内が黒ずみ弾力性を失ってしまいます。この症状は大腸メラノーシスと呼ばれ、大腸ガンのリスクを高めるとも言われているのです。
▼大腸メラーノーシスの詳細記事⇒便秘薬で腸が真っ黒!?大腸メラノーシスとは? |
下剤では根本的に便秘を解消できない!
便が出ると「体重」が減ったり「ポッコリ出た下腹」がスッキリするため、ダイエット目的で使用しているケースも多いのではないでしょうか。でも、下剤が根本的に便秘を解決してくれるわけではありません。
終わりのない下剤の使用は最小限にとどめて、便秘を根本から解消するには「乳酸菌」をたくさん摂るといいですよ。
なぜなら、乳酸菌には「腸内の悪玉菌を退治して、善玉菌を増やす働きがある」からです。そのため乳酸菌は摂れば摂るほど、便秘を改善できる効果が高まります。
乳酸菌は「お薬」ではないので、「摂取量」に上限もなく、たとえ摂りすぎたとしても体外に排出されるだけ。「副作用」もないので、たくさん摂っても安心です。